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本の感想

「転職・キャリアに迷ったら──『適職の結論』で気づく“強み”と“スキル棚卸し”の力」

shiro_kitsune

【感想・レビュー】『適職の結論』宇都宮隆二 著|スキルを棚卸し、異業種でも活躍できる“本当の強み”を見つける方法

「今の会社でこのまま働き続けていいのか?」
「転職したいけど、同業他社しか無理だろうか…?」

こうした不安を抱える方にこそ読んでほしいのが、宇都宮隆二さんの『適職の結論 あなたが気づいていない「本当の強み」がわかる』です。

本書は、単なる適職診断や転職ノウハウではなく、「自分のスキルと強みをどう見つめ直し、未来を切り拓くか」を教えてくれる実践的な一冊です。


■ 自分のスキル、正しく理解していますか?

まず強調したいのが、「スキルの棚卸し」の重要性です。

多くの人が、自分のスキルを「職種名」や「業界知識」だけで捉えがちですが、それでは視野が狭くなってしまいます。

たとえば営業職の人でも、

  • 「新規開拓の経験」
  • 「役員・社長クラスとの交渉スキル」
  • 「数字から課題を抽出し、改善提案を行った経験」

こうした具体的なスキルは、実は異業種でも通用する武器になります。

宇都宮さんは、自分の強みを発見するプロセスとして、「過去の経験を分解して振り返ること」を推奨しています。

これは、まさにスキルの棚卸しそのもの。

やってきた業務の中に、転職市場で評価される“即戦力スキル”が埋もれている可能性が高いのです。


■ 中途採用は“即戦力”が前提

転職市場において、中途採用は基本的に「即戦力」が求められます。

そのため、「この会社で何年も働いてきた」という年数だけでは評価されません。

逆に言えば、業界や職種を超えた「汎用性のあるスキル」を言語化できれば、同業他社だけでなく、異業種へのチャレンジも十分可能です。

例えば、以下のようなスキルは異業種転職で強力なアピールポイントになります。

  • 課題解決力(例:製造原価10%削減の実績)
  • コミュニケーション力(例:役員・社長への提案経験)
  • 計画遂行力(例:売上目標達成のための行動計画と実行)
  • ストレスマネジメント(例:業務改善で働きやすさ向上)

こうしたスキルは、どの業界でも必要とされるもの。

『適職の結論』では、「自分が当たり前にやってきたことこそ、他人から見れば強みになる」という視点を学ぶことができます。


■ 中小企業勤務者こそ「ピーク問題」に注意

特に中小企業で働いている方は、一度立ち止まって考えることが重要です。

中小企業では、若いうちから裁量を持たせてもらえる反面、成長の“頭打ち”が早いケースもあります。

  • 「もう今の会社で学ぶことがなくなった」
  • 「役職もこれ以上は上がらない」
  • 「自分の実力はピークかもしれない…」

このような感覚を持っているなら、「スキルの棚卸し+キャリア戦略」が必要不可欠です。

「自分の市場価値を見極めることが、キャリアの次の一手を決める鍵」です。


■ 異業種転職が現実的になる瞬間

『適職の結論』を読んで印象的だったのは、「強みは業界に縛られない」という考え方です。

たとえば、製造業でのコスト削減経験は、IT業界のプロジェクトマネジメントでも活きますし、営業経験はコンサルティングや人材業界でも高く評価されます。

実際に私の知人でも、スキルの棚卸しを行ったことで、自信を持って異業種に転職し、年収アップを実現したケースがあります。

ポイントは、「職種・業界」ではなく、“何ができる人なのか”を明確にすること。


■ 実力を正しく評価されるために

日本企業では、特に中小企業や古い体質の会社だと、年功序列や曖昧な評価制度の中で、せっかくの実力が埋もれてしまうこともあります。

『適職の結論』は、そうした環境にいる人に「外の世界で通用する力がある」ということを教えてくれます。

  • 自分は何が得意なのか?
  • どんな成果を出してきたのか?
  • 他社でも通用するスキルは何か?

この問いに答えられるようになれば、たとえ今の職場で評価されていなくても、転職市場では高く評価される可能性があります。


■ 「強み」を活かすには、行動を計画せよ

宇都宮さんは「強みは、他人に価値を提供することで初めて意味を持つ」と語りますが、それを活かして成果を出すには、やみくもに動くだけでは不十分です。

例えば、以下のような課題が与えられたとしましょう。

  • 売上1億円を達成するにはどうするか?
  • 新規営業で、1ヶ月に役員・社長クラスと2回会うには?
  • 製造原価を10%削減するには?

これらは、いずれもビジネスの現場でよくあるテーマですが、いきなり結果を出そうとしても無理があります。

ここで重要なのが、「仕事を分解する力」です。


■ 仕事は「分解」すれば怖くない

『適職の結論』を読んで感じたのは、強みを発揮する場面でこそ、「計画的に物事を進める力」が必要だということ。

例えば、売上1億円を達成する場合、次のように考えます。

  1. 目標を具体的な数字に落とし込む
     ⇒ 月間でいくら必要か? 週単位では?
  2. 案件数に分解する
     ⇒ 平均単価から、必要な契約件数を算出
  3. 行動計画を立てる
     ⇒ 1週間で何件アプローチするか?
  4. ボトルネックを把握する
     ⇒ 商談化率が低いなら改善策を練る

こうして分解し、逆算していくことで、漠然とした目標が「今日何をすべきか」にまで落ちてきます。


■ ストレスの正体も「分解」で見える

さらに、宇都宮さんの考え方を応用すると、ストレスの原因特定にも役立ちます。

多くの人が「なんとなく仕事がしんどい」と感じるとき、その正体は曖昧です。

しかし、ストレスも細かく分解してみると、例えばこんな事実に気づけます。

  • 納期が曖昧で不安になっている
  • 上司の指示が抽象的で動きにくい
  • 成果が見えにくく、達成感がない

こうした具体的な原因が見えれば、対処法も明確になります。

「何が自分を苦しめているのか?」を言語化することで、ストレスはぐっと軽減できるのです。


実例|製造原価10%削減の考え方

もう一つ、製造原価の削減というテーマも「分解力」がものを言います。

  1. 現状のコストを分析
     ⇒ どの仕入れ先に、いくら払っているのか?
  2. 交渉可能な部分を特定
     ⇒ ボリュームディスカウントは可能か?
  3. 代替仕入先のリサーチ
     ⇒ 品質を維持しつつコストカットできる企業は?
  4. 社内調整とリスク管理
     ⇒ 切り替えによる影響は?

このように「仕入れ先を見直す」という一言も、実際には多くの工程に分解され、計画的に進める必要があります。


■ 『適職の結論』が教える「再現性ある成功」

宇都宮さんのメッセージは、「強みを知ることで、再現性のある成功を手に入れる」という点にあります。

  • 自分の得意なスタイルを知る
  • 仕事を構造化し、効率よく進める
  • 成果を積み重ね、自信を深める

この流れを作ることで、環境が変わってもブレない“軸”ができるのです。


■ 読後のアクション|自分の仕事も分解してみた

私も本書を読んだあと、日々の業務を「分解」してみました。

すると、無駄な作業や、優先度の低いタスクに時間を取られていることが明確になり、すぐに改善策を実行。

結果として、仕事のスピードと質が向上し、周囲からの評価も上がりました。

「強みを活かす=計画力を鍛えること」だと実感しています。


まとめ|スキルを「見える化」して、未来を変えよう

『適職の結論』は、「強みの発見」にフォーカスした本ですが、読めば読むほど、
キャリア戦略・転職戦略の教科書としても活用できると感じました。

  • 自分のスキルを棚卸ししよう
  • 異業種も視野に入れよう
  • 中途採用市場では“即戦力”が鍵
  • 中小企業勤務者こそ、成長の天井を意識するべき
  • 強みを活かすには「分解」と「計画」が重要

もし、今の働き方や将来に少しでも不安があるなら、まずはこの本を手に取って、自分の強みを言語化することから始めてみてください。


📗参考文献
書籍:適職の結論 あなたが気づいていない「本当の強み」がわかる
著者:宇都宮 隆二(Utsuさん)
出版社:SBクリエイティブ

ABOUT ME
しろきつね
しろきつね
ブロガー / 会社員
会社員として働くだけではリスクが大きすぎると思い、2024年にブログを開始。本が大好きで本好きの方と繋がりたい! 人生の目標は毎日ワクワク心が踊る日々を送ること。 そして静かな街で犬と猫に囲まれてのんびり平穏な日々を過ごしたい。
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