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【書評・感想】『残酷すぎる幸せとお金の経済学』|年収800万円超えても幸せになれない?お金と幸福の“真実”に迫る

shiro_kitsune

1. 「幸せとお金」は比例しない?──本書の問題提起

『残酷すぎる幸せとお金の経済学』(佐藤一磨 著/プレジデント社)は、「お金=幸せ」という常識に対して真っ向から問いを投げかける一冊です。

本書では、「収入が増えると幸福度も比例して高まる」というよくある信念に疑問を持ち、実

際のデータや経済学的視点からその関係性を分析しています。

その結果、多くの人が信じている「お金さえあれば幸せになれる」という考え方が、実は非常に単純化されたものであることが浮き彫りになります。

とくに印象的だったのは、「年収800万円を境に、幸福度の上昇が緩やかになる」という調査結果です。

これは、アメリカの研究など複数の統計データにも裏付けられた信頼性の高い知見であり、

「もっと稼げば幸せになれる」と信じて疑わない現代人にとっては、ショッキングな事実かもしれません。


2. 「幸せになるお金の使い方」とは?──3つの具体例

では、どうすればお金で幸せを得られるのか? 

本書では、幸福度を高めるための具体的なお金の使い方として、以下の3つを紹介しています。

① モノより経験にお金を使う

新しいスマホや洋服は、買った瞬間の満足感は高くても、その効果は長続きしません。

これに対し、旅行やイベント、ライブなどの「経験」は、思い出として残るだけでなく、何度も振り返って幸福感を得ることができます。

② 時間を買う

忙しい現代人にとって、「時間」は最も貴重な資源です。

家事代行や移動手段の工夫(タクシーの利用など)によって自由な時間を確保することは、精神的なゆとりにつながり、結果的に幸福度の向上をもたらします。

③ 他人のためにお金を使う

自分のために使うお金よりも、誰かのために使うお金のほうが幸福度を高めるという研究結果も紹介されています。

寄付やプレゼントを通して得られる「人とのつながり」は、お金では買えない価値です。


3. 本書を読んで変わった3つの行動

この本を読み終えた私は、実生活でもさっそくいくつかの行動を変えてみました。

① 家事代行サービスを初めて使ってみた

以前は「そんなの贅沢」と思っていた家事代行ですが、思い切ってお願いしてみたところ、自

分の時間が一気に増え、趣味や読書、そして家族との時間を持てるようになりました。

精神的な余裕が生まれ、想像以上の効果がありました。

② 「モノより経験」を実践

ガジェットや服を買う代わりに、友人との小旅行やセミナー参加にお金を使いました。

結果として、人生の充実感や会話のネタが増え、自己成長にもつながりました。

③ 小さな寄付やプレゼントを意識的に実行

誕生日でない日にも妻にプレゼントを贈ったり、少額の寄付を続けてみたりしました。

不思議なことに、自分の中に「いいことをした」という充足感が残り、それが幸福感へとつながるのを実感できました。


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4. データと心理から読み解く「残酷な真実」

本書の魅力の一つは、豊富なデータと心理学の観点を融合させて、お金と幸せの微妙なバランスを説いている点です。

たとえば、以下のような調査結果が紹介されています。

  • 年収が増えるとストレスも増える傾向がある
  • 所得格差が大きい地域では幸福度が低くなる
  • 他者との比較(社会的比較)は幸福感を奪う

これらの知見を踏まえると、「たくさん稼ぐ」よりも「他人と比べずに、自分の人生に満足する」ことのほうが、ずっと重要であることが見えてきます。


5. 読後に残ったリアルな感情──「でも現実はそんなに甘くない」

本書を読んで得られる学びは多いですが、同時に「理想と現実のギャップ」についても考えさせられました。

というのも、年収の中央値が407万円(2023年時点)の日本において、多くの人が「年収800万円」に届かない生活を送っているのが現実です。

住宅ローンや奨学金、生活費の支払いに追われ、精神的な余裕など持てない──そう感じている人も少なくないでしょう。

だからこそ、本書の内容は「余裕のある人が語る理想論」として流される危険性もあります。

しかし、それでも私は、この本に書かれている「お金の使い方」の知恵こそ、厳しい現実を生きる私たちに必要な視点だと感じています。


6. まとめ|「お金の稼ぎ方」より「お金の使い方」を学べ

『残酷すぎる幸せとお金の経済学』は、「いかに稼ぐか」ではなく、「いかに使うか」に重きを置く生き方のヒントを与えてくれる一冊です。

本書を通じて得た最大の気づきは以下の通りです。

  • 幸福はお金だけでは手に入らない
  • お金の“使い方”が幸福度を決める
  • 他人のために使うお金が、最大のリターンをもたらす

私たちが豊かになるために必要なのは、年収を1,000万円にすることではなく、「無駄にお金を使わない意識」と「自分の価値観に沿った使い方」をすることだと確信しました。

「人生に一発逆転なし。コツコツ正しく自己投資を重ねて、周りと一緒に豊かになろう。」

そんな前向きな気持ちを持てたのも、この本のおかげです。これからの人生、お金の使い方を意識的に見直したい方に、ぜひ読んでもらいたい一冊です。


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📗書籍情報

タイトル:残酷すぎる幸せとお金の経済学

著者:佐藤 一磨

出版社:プレジデント社


ABOUT ME
しろきつね
しろきつね
ブロガー / 会社員
会社員として働くだけではリスクが大きすぎると思い、2024年にブログを開始。本が大好きで本好きの方と繋がりたい! 人生の目標は毎日ワクワク心が踊る日々を送ること。 そして静かな街で犬と猫に囲まれてのんびり平穏な日々を過ごしたい。
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