『残酷すぎる幸せとお金の経済学』お金と幸福の意外な関係とは?

『残酷すぎる幸せとお金の経済学』は、私たちが日々追い求める「幸せ」と「お金」の関係
について、経済学の視点から鋭く切り込んだ一冊です。「お金があれば幸せになれるのか?」
「お金と幸福の関係は本当に単純なものなのか?」といった疑問に対し、豊富なデータと実
例をもとに論じています。
本書は、単なるお金持ちになるためのハウツー本ではなく、お金と幸福の本質について考え
させられる内容になっています。読んだ後「お金の使い方や働き方を見直したくなる」そん
な本でした。本記事では、印象に残ったポイントや学び、そして実生活にどう活かせるかを
深掘りしていきます。
著者:佐藤一磨 出版社:プレジデント社
1. 『残酷すぎる幸せとお金の経済学』の概要
お金と幸福の関係は単純ではない
本書では、「お金が増えれば増えるほど幸せになれるのか?」という問いに対し、さまざまな
角度から考察しています。結論としては、「一定のラインまではお金が幸福度を上げるが、そ
れを超えると必ずしも比例しない」ということがデータをもとに明らかにされています。
例えば、年収が低い状態では収入が増えることで生活の不安が減り、幸福度も上がります。
しかし、ある程度の収入(例えば年収800万円以上)になると、幸福度の上昇は緩やかにな
り、むしろ「お金を得るために犠牲にするもの」が幸福を削ぐ要因になり得るのです。
幸せになるためのお金の使い方とは?
本書では、幸せに直結しやすいお金の使い方についても触れています。例えば、
- モノよりも経験にお金を使う
物質的な所有は一時的な満足感しか与えないが、旅行やイベントなどの「経験」は長く幸福感を持続させる。 - 時間を買うことが幸福につながる
家事代行や移動手段の工夫などで自由な時間を増やすと、幸福度が上がる。 - 他人のためにお金を使うと幸福度が高まる
自分のためだけでなく、寄付やプレゼントをすることで、人とのつながりが強まり、長期的な幸福感を得られる。
これらの視点を持つことで、単なる「お金を稼ぐこと」だけでなく、「どのように使うか?」
にフォーカスすることが重要だと分かります。
2. 本書を読んで学んだこと
① 収入の増加=幸福度の増加ではない
「もっと稼げば幸せになれる」という考え方は、多くの人が持っています。しかし、本書では
それが単純な関係ではないことをデータで示しています。
例えば、アメリカの研究によると、年収75,000ドル(約800万円)を超えると、収入が増え
ても幸福度はほとんど上がらないという結果が出ています。これは、「生存のためのお金」が
満たされた後は、「幸福」を決定するのが時間や人間関係、健康といった他の要素になるため
です。
この事実は、多くの人が「もっと働いて稼ごう」と思う動機を見直すきっかけになります。
もちろん、収入が増えることは良いことですが、それが自分の幸福につながるかどうかを考
える必要があるのです。
② お金の「使い方」が重要
本書を読んで、最も印象に残ったのが「お金の使い方の重要性」です。収入が増えても、それ
を無駄なモノに使ったり、時間を奪うような使い方をすると、逆に幸福度が下がる可能性が
あります。
例えば、次のような使い方が幸福につながるとされています。
- 「時間の余裕」を買う
- タクシーを利用して移動時間を短縮する
- 家事代行を活用して自由時間を増やす
- 仕事の効率を上げるために便利なツールに投資する
- 「経験」に投資する
- 旅行やイベントにお金を使う
- 趣味や自己成長のために投資する
- 家族や友人と一緒に楽しむことにお金を使う
- 「他人のために使う」
- 誰かにプレゼントをする
- チャリティーや寄付をする
- 人を喜ばせるためにお金を使う
- タクシーを利用して移動時間を短縮する
- 家事代行を活用して自由時間を増やす
- 仕事の効率を上げるために便利なツールに投資する
これらの使い方を意識することで、お金の価値を最大限に活かせることが分かりました。
3. 実際に試してみたこと
本書を読んで、私自身の生活でもいくつかのポイントを実践してみました。
① 家事代行を利用して時間を確保
普段、掃除や洗濯に時間を取られていたのですが、思い切って家事代行を依頼してみまし
た。その結果、自由な時間が増え、趣味や読書の時間を確保できるようになりました。これ
により、ストレスが減り、幸福度が向上したと感じています。
② 「経験」にお金を使う
以前は新しいガジェットや服を買うことにお金を使っていましたが、本書を読んでからは、
旅行やイベントにお金を使うようにしました。その結果、思い出に残る体験が増え、物質的
な満足よりも長く幸福感が持続することに気づきました。
③ 寄付やプレゼントを意識的に行う
本書で紹介されていた「他人のためにお金を使うと幸福度が上がる」という点に興味を持
ち、寄付やプレゼントを意識的に行いました。例えば、友人にちょっとしたプレゼントを贈
ったり、慈善団体に寄付をしたりしました。その結果、相手の喜ぶ顔を見ることで、自分の
幸福感も高まることを実感しました。
4. まとめ|読む価値のある一冊
『残酷すぎる幸せとお金の経済学』は、お金と幸福の関係について新たな視点を与えてくれ
る一冊でした。特に、「お金があるだけでは幸せになれない」「お金の使い方が幸福度を決め
る」という点が非常に印象的でした。
ただ正直に思ったことは「お金があるだけでは幸せになれない」のは分かったんですが、そ
れは一定のお金があって初めて言える言葉だと実際生活をしていて思いましたね。
年収の中央値は「2023年で407万円です」これでは豊かな生活ができず、生活費を支
払って、奨学金などの借金の返済を行うと手元に残るのは雀の涙です。
本書を読めば、お金に対する考え方が変わり、より賢いお金の使い方ができるようになりま
す。どういう心理が含まれているのかという視点で物事を考えれるようになり、ビジネスや
普段の買い物なんかにも使うことができ、無駄遣いさせられていると意識することができる
ようになります。そうすることで正しいことにお金を使えるようになり豊かになれると思い
この本の内容を実践した感想を書きました。人生に一発逆転なし。コツコツコツコツ正しい
努力を積み上げて自己投資を行い、みんなで豊かになりましょう。
お金を「何に」「どのように」使うかを考える上で、ぜひ読んでみてほしい一冊です。





