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本の感想

【書評】『ユダヤの商法』藤田田|世界経済を動かすユダヤ式“儲けの原則”とは?

shiro_kitsune

当ブログにお越しいただきまして、ありがとうございます!

はじめに:伝説のビジネスマンが明かす、世界の金儲けの真実

「商売は頭脳戦だ」――そう語ったのは、日本マクドナルドの創業者であり、一代で大企業

を築き上げた実業家・藤田田(ふじたでん)氏です。その彼が、日本人に向けて“儲けの本

質”を語った書が『ユダヤの商法』です。

本書は、ただのビジネスハウツーではありません。

著者が若かりし頃、ユダヤ人ビジネスマンと渡り合い、彼らの価値観や手法から得た教訓を、赤裸々かつ痛快に綴っています。

ユダヤ人の考え方を知ることは、世界経済の裏側を知ることであり、同時に日本人の弱点を直視することでもあります。

この記事では、本書の要点とともに、現代のビジネスパーソンが何を学ぶべきかを3,000字以上にわたり深掘りします。


第1章:商売は「数字」と「言葉」で制す

藤田田が最初に強調するのは、ユダヤ人の「数字」と「言葉」への徹底したこだわりです。彼らは、すべてを数値化して捉え、理屈で判断し、言葉で相手を操る技術に長けているといいます。

たとえば、「英語と算数だけで食っていける」というユダヤの教育観。これは、商売や交渉の場で、論理と思考力が武器であるという証明でもあります。数字はウソをつかず、言葉は価値を生む。日本人のように「空気を読む」「察する」ことに依存していると、国際社会では通用しないと著者は警鐘を鳴らします。

現代のビジネスにおいても、プレゼン・データ分析・広告文と、すべて「数字×言葉」が決め手になります。つまり、藤田田が40年以上前に説いた教訓は、いまやグローバルスタンダードとなっているのです。


第2章:ユダヤ人の「ケチ」から学ぶ、真の経営力

次に登場するのが、ユダヤ人の“ケチ”な姿勢です。一般的にはネガティブな言葉として捉えられがちですが、藤田田はこのケチこそが、彼らの生存戦略だと喝破します。

ユダヤ人は、支出を最小限に抑え、利益を最大化することに命をかけています。彼らの財布の紐は想像以上に固い。それは「損しないこと」「得を重ねること」に徹底しているからです。

藤田氏は「1円玉を笑う者は、1円玉に泣く」と語ります。細かい数字を甘く見る者は、やがて大きな損失を出すという警告です。

特に起業家や個人事業主にとっては、この「守りの堅実さ」が死活問題になります。無駄な広告費や過剰な接待にお金を使ってしまうと、キャッシュフローが一瞬で崩れる。ユダヤ式の“超合理主義”を身につけることは、倒れないビジネスを築くための必須条件です。


第3章:「信用」は通貨よりも価値がある

『ユダヤの商法』の中で、藤田氏が最も熱を込めて語っているのが「信用」の概念です。ユダヤ人は、紙幣よりも信用を信じ、信用を築くためには最大限の努力を惜しまない――これは本書を通して一貫したメッセージです。

ビジネスの世界では、どれだけ売り込んでも「信頼されていない人」からは買ってもらえません。むしろ、信用のある人が出せば、多少高くても売れてしまう。これが信用の力です。

藤田田は、納期・品質・約束の厳守を徹底していました。たとえ1日でも納品が遅れそうなら、必ず事前に連絡を入れる。相手に迷惑をかけない。その積み重ねが、取引先からの信頼を勝ち取り、大きな仕事に繋がっていったのです。

現代ではSNSやレビューによって、信用が可視化・拡散される時代。だからこそ、誠実さと一貫性がブランドを築き、売上を生む土台になるのです。


第4章:「欲望」に寄り添うことが、ビジネスの出発点

「人間は論理ではなく、欲望で動く」と藤田田は断言します。これは、あらゆるビジネスの根本にある心理法則です。

成功する商品やサービスは、すべて人間の欲求から生まれています。「楽をしたい」「モテたい」「食べたい」「お金を稼ぎたい」――これらに正直であることが、商売を作る原点だというわけです。

たとえば、藤田氏が日本マクドナルドを立ち上げたとき、日本人の「早くて安くて美味しいものを手軽に食べたい」という都市生活者のニーズに着目しました。その“欲望”にジャストミートしたことで、爆発的なヒットを生んだのです。

今の時代も同じです。ユーザーの感情や悩み、欲望に寄り添い、それを解決する形で商品を設計する。これがマーケティングの核心であり、ユダヤ的な“稼ぐ思考法”の真骨頂です。


第5章:「お金を稼ぐこと」は悪ではない

最後に、藤田氏は日本人の“お金アレルギー”を強く批判します。戦後の日本では「金儲け=卑しい」といった空気がありました。しかし、ユダヤ人は違います。お金を稼ぐことを知的なゲームと捉え、工夫と努力で富を得ることを正当な行為と考えているのです。

藤田田もまた、「お金儲けは知的で面白い」と語ります。利益を生み出すには、頭を使い、戦略を練り、人と交渉しなければならない。それはスポーツや芸術と同じく、技術とセンスが問われる世界だというのです。

この考え方は、ビジネスを単なる“金のための手段”と捉えるのではなく、自己表現であり、社会貢献でもあるという、健全で前向きなマインドを与えてくれます。


まとめ:すべてのビジネスパーソンに必要な「ユダヤ式商法の本質」

『ユダヤの商法』は、単なる異文化理解やビジネス本ではありません。そこには、現代を生き抜くための「商売の基礎体力」が詰まっています。

💡 本書から得られる5つの教訓:

  1. 数字と論理で判断せよ
  2. 無駄を省き、守りを固めよ
  3. 信用は最大の資産である
  4. 欲望を正確に読み取れ
  5. 金儲けを知的ゲームとして楽しめ

読み進めるほどに、日本人が見落としがちな“合理と現実”を突きつけられますが、それこそがこの本の価値であり、藤田田という人物の魅力です。

もしあなたが、「ビジネスで成功したい」「お金を稼ぐ力を身につけたい」「商売のセンスを磨きたい」と考えているなら、この一冊は人生を変えるヒントになるでしょう。


ABOUT ME
しろきつね
しろきつね
ブロガー / 会社員
会社員として働くだけではリスクが大きすぎると思い、2024年にブログを開始。本が大好きで本好きの方と繋がりたい! 人生の目標は毎日ワクワク心が踊る日々を送ること。 そして静かな街で犬と猫に囲まれてのんびり平穏な日々を過ごしたい。
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