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【書評・感想】『新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』|制度を攻略し、人生を豊かにする“知的ライフデザイン”とは?

shiro_kitsune

結論:努力より「制度を理解して動く」人が得をする

「必死に働いているのに、なぜお金が貯まらないのだろう?」
「同じ年収でも、自由な暮らしをしている人がいるのはなぜ?」

こうした疑問を持つ人にとって、『新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(橘玲著)は、まさに“人生戦略の教科書”といえる一冊です。

結論から言うと、本書は「努力」だけでは経済的自由を掴めない現実を突きつけ、制度を知り、使いこなすことで初めて豊かさが手に入ると教えてくれます。

著者が提唱する“黄金の羽根”とは、税制や社会保障、国際制度といった仕組みの“盲点”を賢く活用する知恵のことです。

特別な才能やコネは不要。必要なのは「知識」と「行動」だけ。

以下では、本書を通じて学んだ気づきと感想、そして自分の人生にどう取り入れるべきかを詳しく解説します。

制度の“歪み”を利用する知恵

橘玲氏が何度も繰り返すメッセージはシンプルです。

「この社会には、意外なところに“黄金の羽根”が落ちている」

書籍名:新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計のすすめ
著者:橘 玲
出版社:幻冬舎

会社員として真面目に働くだけでは、税金や社会保険料で可処分所得の大半を失う構造に陥ります。

本書では、法を犯さずに“制度の設計の穴”を突く方法が、具体例を交えて語られます。

  • 会社員とフリーランスの手取り格差
    同じ年収でも、事業所得では経費計上が可能なため、手取りが大幅に変わる。
  • 法人化による節税
    法人を作れば、役員報酬・退職金・経費の調整が可能。
    給与一本の働き方より圧倒的に自由度が高い。
  • 海外移住という選択肢
    非居住者になることで、日本の所得税・住民税を合法的に回避する仕組みがある。


もちろん、移住にはリスクや準備も必要ですが、視野を広げるだけでも大きな価値があります。

これらは決して裏技ではなく、「知っているかどうか」だけで得られる結果が大きく変わる知的戦略です。

「知らないだけで損をする」現実に衝撃

本書を読み進めるうちに痛感したのは、無知こそ最大のコストであるという現実です。
たとえば、年収700万円のサラリーマンは、税金・社会保険料を引くと実質500万円ほどしか手元に残りません。

一方、法人を設立して同額の収益を上げる人は、手元に600万円以上を残すことも可能です

つまり、働き方や努力量ではなく、制度をどう使いこなすかが資産形成の差を生んでいるのです。

これを知らずに一生懸命働くのは、ゴールの見えないマラソンを走るようなもの。
「頑張れば報われる」という価値観は、現代の資本主義では必ずしも通用しません。

グローバルな視点で人生設計を考える

本書では、海外移住や国際分散投資についても言及されています。
「日本に生まれたから日本で一生暮らさなければならない」という発想を手放すことが、人生の可能性を広げる第一歩です。

例えば、物価の安いマレーシアやタイで生活すれば、1,000万円の資産でも日本よりずっと豊かに暮らせます。
さらに、税率の低い国を拠点にすれば、投資益や事業収益への課税を抑えることが可能です。

こうした戦略は、リモートワークやデジタル化が進む現代だからこそ現実的になっています。

FIREとの親和性の高さ

近年注目されるFIRE(経済的自立・早期リタイア)の概念とも、本書の考え方は非常に相性が良いと感じました。

  • 生活費を最適化する
  • 複数の収入源を持つ
  • 資産を賢く増やす
  • 税や社会保障の負担を最小化する

これらはまさに、FIRE実現に必要な要素です。
特に、税金や社会保険料を意識しないと、せっかくの資産形成も効率が悪くなります。
本書を読むことで、FIREを“数字で達成するための現実的なロードマップ”が見えてきます。

私が学んだ3つの気づき

  1. 知識を持つ者だけが制度を味方にできる
    「知らないだけで損する世界」を改めて実感。学校では教えてくれないお金のルールを、自分で学び続けることが不可欠だと感じました。
  2. 人生の舞台を地球規模で考える重要性
    「日本で一生働くこと」が唯一の選択肢だと思っていた過去の自分が視野の狭い考えにとらわれていたと痛感しました。
  3. 感情ではなくデータで判断する姿勢
    「節税=ズルい」という感情論ではなく、制度を理解し、論理的に“最適解”を選ぶ知性が大切だと学びました。

具体的な行動ステップ

では、私たちはどこから行動を始めればいいのでしょうか?

1. 収支と税負担の可視化
年収、社会保険料、住民税、支出を整理し、「どこに無駄があるか」を明確にします。

2. 副業・事業収入の確立
小さな副業でも良いので、給与以外の収入を得ることで税制の恩恵を受けやすくなります。

3. 法人化の検討
副業が軌道に乗ったら法人化することで、経費や役員報酬など多くの選択肢が得られます。

4. 資産運用・保険の見直し
金融リテラシーを磨き、資産の置き場所を考えます。高コストな保険や投資商品を見直すことも重要です。

5. グローバル視野の獲得
海外移住や国際投資を調べるだけでも、新たな発想が得られます。

まとめ:資本主義を攻略する視点を持とう

『新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』は、単なるマネー本ではありません。
「社会の仕組みをどう使うか」という思考法そのものを変える一冊です。

努力が報われないと感じている人ほど、読む価値があります。
なぜなら、本書は「社会を批判する側」から「制度を使いこなす側」への意識転換を促してくれるからです。

最も印象に残ったのは、「無知は最大のコスト」という言葉です。
知識を持てば、同じ労力で得られる成果が大きく変わる。
これは資産形成だけでなく、人生のあらゆる選択に通じる考え方だと思いました。

書籍情報

  • 書籍名:新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計のすすめ
  • 著者:橘 玲
  • 出版社:幻冬舎

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