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【書評・感想】『サイゼリヤの法則』なぜ「自分中心」をやめると人生もビジネスもうまくいくのか?

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~“安くてうまい”の裏にある感動の経営哲学~

はじめに:サイゼリヤの「安さ」の裏にある深い思想とは?

「安い、うまい、気軽に入れる」。
サイゼリヤと聞いて、多くの人がまず思い浮かべるのはそんなイメージでしょう。

学生や家族連れに愛される定番ファミレスの1つであり、特に名物のミラノ風ドリアや、なんと100円で楽しめるグラスワインは「安くて満足できる」の代表格といえる存在です。

しかし、なぜこれほどのコストパフォーマンスが可能なのか?
それを支えているのが、創業者・正垣泰彦氏の「サイゼリヤの法則」という独自の経営哲学です。

本記事では、正垣氏の著書『サイゼリヤの法則 なぜ「自分中心」をやめると、ビジネスも人生もうまくいくのか?』から学んだことをもとに、その本質や感動を交えて紹介していきます。


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サイゼリヤ創業のルーツと正垣泰彦氏の原点

1967年、たった6坪の洋食屋から始まったサイゼリヤ。

創業当時、正垣氏はまだ大学生で、父が営む診療所の近くで営業を開始。

最初はイタリア料理ですらなかったというから驚きです。

そこから50年以上かけて、全国1000店舗を超える巨大チェーンへと進化。

その進化の軸にあったのが、【安さ】と【本物】の徹底追求でした。

正垣氏は、「コストを抑えるために品質を妥協する」という常識を否定し、「どうすれば“本物”を“安く”提供できるか?」という逆転の発想に挑戦し続けたのです。


「サイゼリヤの法則」とは何か? 4つの経営哲学

本書の核となる「サイゼリヤの法則」は、単なる企業マネジメントの話ではありません。

それは人間や社会に対する深い洞察に根ざした哲学とも言える内容です。

中でも印象的だった4つの法則を紹介します。

1. 「本物」を「安く」提供する発想

“安かろう悪かろう”の常識を覆すこの発想。

例えば、サイゼリヤではイタリアから直輸入した食材を使用しつつ、価格は300円台のまま。

これは、自社加工工場や物流網の整備、大量仕入れによるコスト削減といった綿密なロジックに基づいています。

単なる価格競争ではなく、「価値競争」への挑戦とも言える姿勢です。

2. 顧客を“仲間”として捉える思想

サイゼリヤでは、「お客様=お金を払う存在」ではなく、「社会を一緒に支える仲間」として接しています。

そのため、価格よりも「価値」が重視され、満足度の高い商品が生まれているのです。

3. 従業員の“自主性”を重視する文化

現場のアルバイトであっても、「考えて行動すること」が奨励されているのがサイゼリヤ。

マニュアル通りの動きではなく、「自分で考え、最善を尽くす」ことが現場の力として活かされているのです。

これは“個を活かす経営”としても注目されるポイントです。

4. 「自然の理」に従う意思決定

正垣氏は「人間が決めたルールよりも自然の法則を信じる」と語ります。

たとえば、店舗のレイアウトも「お客様がどのように気持ちよく過ごせるか」という視点から設計され、売上至上主義に偏らない運営がされています。


読んで感じた3つの衝撃と気づき

① 「安さ」と「本質」は対立しない

これは私にとって非常に大きな発見でした。

それまで、「安い=妥協の産物」「高品質=高価格」という思い込みがあったのですが、サイゼリヤはこれを完全に打ち破っています。

品質を落とさずに価格を下げるには、工夫と執念が必要。
その姿勢こそ、現代ビジネスにおける真の差別化だと痛感しました。

② 「理系的経営」が飲食業を進化させた

正垣氏は東京大学理科II類出身の理系人間。
その背景もあり、経営には科学的・論理的なアプローチが随所に見られます。

・物流設計
・調理工程の標準化
・原材料管理の最適化

など、感覚頼みではない「再現性と合理性」を基盤とした経営に、強く魅了されました。

③ 企業の使命とは何か?を問い直す視点

本書で最も印象的だったのは、「会社は利益のために存在するのではない」という考え方。
社会に価値を提供し、人々の暮らしを良くすることこそ、企業の存在意義だという姿勢です。

この思想は、ESGやサステナブル経営が注目される今、まさに先見の明そのもの。
サイゼリヤはそれを半世紀前から実行していたのです。


現代社会におけるサイゼリヤの奇跡

2025年現在、物価は上昇し続け、日本人の実質所得は減少。
「生活が苦しい」「外食すら贅沢」という声も増えました。

・車は200万→300万円
・マックのハンバーガーは60円→190円
・給料はほとんど変わらず、税金は上昇…

それでも、サイゼリヤは「値下げ」を断行しているのです。
しかも、味はどんどん美味しくなっている。

この“逆行”とも言える姿勢に、正垣氏の「顧客第一の哲学」が滲んでいます。
まさに、経営の良心です。


まとめ:サイゼリヤの真の価値は「価格」ではなく「信頼」

『サイゼリヤの法則』は、安さの裏にある企業努力、そして創業者の信念を知ることができる珠玉の一冊です。

単なる飲食ビジネス論ではなく、「人としてどう生きるか」「企業としてどうあるべきか」を教えてくれる“哲学書”のようでもあります。

今後の日本において、サイゼリヤのような存在はますます重要になってくるでしょう。

安くて、うまくて、心がこもっている――そんな企業があることに、希望を感じずにはいられません。


📚 書籍情報

  • 書名:サイゼリヤの法則
  • 著者:正垣 泰彦
  • 出版社:KADOKAWA

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