『どう生きるか なぜ生きるか』:人生の本質に迫る魂の書

【はじめに】
「人生とは何のためにあるのか?」という問いに、あなたは答えられますか?
人生に迷ったとき、あるいは生き方に疑問を感じたとき、私たちはふと立ち止まって考えま
す。
「自分は何のために生きているのか?」
「どう生きることが正しいのか?」
「幸せとは、成功とは一体なんなのか?」
これらは誰しも一度は考えたことがある「人間としての根源的な問い」です。
そんな問いに対して明確な答えを提示し、人生をより良く生きるためのヒントを与えてくれる
のが、稲盛和夫氏の『どう生きるか なぜ生きるか』です。
本記事では、著書の内容をわかりやすく噛み砕きながら、私自身の感想を交え、どのように
人生観が変わったのかをご紹介していきます。
【第1章】「なぜ生きるのか」を問い直すことが、生き方を変える
この本の出発点は、まさにタイトルにある「なぜ生きるのか」という問いかけです。
稲盛氏は、人生の意味をただの生存や物質的な欲求の充足に置くのではなく、「魂を高めるた
めに生きる」と説きます。
つまり、私たちはこの世に「人間として成長するため」に生まれてきた、というのが氏の答
えです。
この考えに触れたとき、私は深く納得すると同時に、自分の毎日があまりにも「表面的」だ
ったことに気づかされました。
- 毎日の仕事はこなしているけど、何のためにやっているのか?
- 家族や周囲の人との関わりに、どこまで真剣に向き合っていたか?
「なぜ生きるのか」を考えることは、日々の生活の「意味」を再確認することだと、心に強く残りました。
【第2章】善き思いが善き現実を創る
本書で繰り返し強調されるのは、「思い」が人生を創るということです。
稲盛氏は、「心が運命を決める」と断言します。つまり、自分の持つ思考や感情が、人生の方
向性を決めていくのです。
この考え方は、「引き寄せの法則」に似ている部分もありますが、より実践的かつ倫理的で
す。
たとえば、次のような言葉が印象的でした。
「善き思いは善き結果をもたらし、悪しき思いは悪しき結果を呼ぶ。
だから、常に心を磨き、正しく保たねばならない。」
著者:稲盛和夫
出版社:サンマーク出版
ここで語られる「心を磨く」という行為は、宗教や信仰を超えた、人としての在り方に通じ
ています。
仕事においても、「成功の前に、人間性が問われる」と稲盛氏は言います。
成果を追い求める前に、自分の心が正しい方向を向いているか?
これを日々自問自答することが、幸せな人生を築く第一歩になるのです。
【第3章】「利他の心」にこそ、本当の幸福が宿る
現代社会では、「自分の利益を最優先に考える」ことが成功の秘訣とされがちです。
しかし、稲盛氏の哲学はそれと真逆です。
彼が一貫して語るのは、「利他の心」で生きることの大切さ。
利他とは、他人のために行動する心。
見返りを求めず、純粋に人の幸せを願う気持ちです。
稲盛氏はこう語っています
「他人の幸せを願い、尽くすことで、結果的に自分にも幸せが返ってくる。」
著者:稲盛和夫
出版社:サンマーク出版
これは、単なる道徳や教訓ではなく、実際に京セラやJALの経営でも貫かれてきた考え方です。
社員をただの労働力として見るのではなく、一人の人間として尊重し、共に成長していく姿勢。
それが、組織を活性化させ、結果的に驚異的な業績を生んだという事実が、この哲学の信憑性を証明しています。
【第4章】人生は「心を高める修行の場」である
本書の終盤では、人生を「魂の修行の場」としてとらえる考え方が示されます。
人は誰しも、苦しみや悲しみ、困難に直面します。
しかし、それらを「不幸」や「運が悪いこと」と捉えるのではなく、魂を磨く「チャンス」
だと考えるのです。
「困難をどう乗り越えるかで、その人の魂のレベルが決まる。」
著者:稲盛和夫
出版社:サンマーク出版
この言葉は、人生の逆境にある人にとって、どれほど励みになるでしょうか。
例えば、会社で理不尽な目に遭ったとき、人間関係で傷ついたとき、「なぜ自分だけが?」と
思うかもしれません。しかし、そのときこそ「どう向き合うか」が問われている。
稲盛氏の思想に触れてから、私は苦しいときほど「この経験で、自分は何を学べるか?」と
考えるようになりました。
すると、不思議と前向きに行動できるようになり、運も味方してくれる感覚があります。
【第5章】実生活にどう活かせるか?
この本を読んで終わりにするのはもったいない。実生活で活かしてこそ、意味があると感じます。
私自身が実践している「日々の中での小さな実践」をご紹介します
- 毎朝、今日一日を「心を高めるチャンス」としてスタートする
- 人と接するとき、「自分がどう得するか」ではなく「相手のために何ができるか」を考える
- 夜寝る前に「今日、自分は善い思いで過ごせたか?」を振り返る
こうした小さな習慣が、確実に人生の質を変えてくれました。
自分の生き方に責任を持つようになり、日々が少しずつ豊かになっていくのを実感しています。
【まとめ】「魂を高める」ことが、人生の真の目的
『どう生きるか なぜ生きるか』は、ただの人生論ではなく、生き方の根本を変える力を持つ本です。
現代社会は「効率」「成果」「成功」に追われがちですが、それらを追うだけでは本当の幸せ
にはたどり着けません。
稲盛和夫氏がこの本を通して教えてくれるのは、
- なぜ生きるのか → 魂を磨くため
- どう生きるのか → 心を高め、利他の心で生きること
という、極めてシンプルでありながら、深い真理です。
もし今、あなたが人生に迷っているのなら、この本は必ず何かのヒントを与えてくれるはずです。
人生の「軸」を見つけたい人、自分をより良く生きたい人に、心からおすすめしたい一冊です。
参考文献
書籍:『どう生きるか なぜ生きるか』
著者:稲盛和夫
出版社:サンマーク出版





