『自分とか、ないから。教養としての東洋哲学』要約・感想|自分探しに疲れた人が楽になる東洋哲学の答え
『自分とか、ないから。教養としての東洋哲学』は何を教えてくれる本なのか
「自分らしく生きよう」
「ブレない自分を持とう」
私たちは日常的に、こうした言葉に囲まれています。
けれど、どこか息苦しさを感じたことはないでしょうか。
そんな違和感に、まったく別の角度から光を当ててくれるのが、しんめいPさんの一冊
『自分とか、ないから。教養としての東洋哲学』です。
本書が提示するのは、驚くほどシンプルで、そして深い問い。
「そもそも“自分”って、本当にあるの?」というものです。
この記事では、東洋哲学の入門書としても非常に優れた本書の内容を、
・専門知識ゼロでも理解できるように
・現代の悩みにどう役立つのかという視点で
丁寧に解説していきます。
なぜ「自分探し」は苦しくなるのか
現代人の悩みの多くは、「自分」に関係しています。
・自分に向いている仕事が分からない
・自分らしさが見つからない
・他人と比べて自分はダメだと感じてしまう
これらはすべて、「確固たる自分がどこかに存在するはずだ」という前提から生まれています。
しかし東洋哲学では、この前提そのものを疑います。
「自分は固定された存在ではない」
むしろ、状況や関係性によって変わり続けるものだと考えるのです。
本書は、この発想を難しい言葉ではなく、日常感覚に引き寄せて説明してくれます。
だからこそ、哲学書なのに分かりやすくて、読みやすい不思議な感覚があるのです。
仏教・老荘思想が教える「自分がない」という考え方
本書で扱われる中心テーマの一つが、仏教における「無我」という考え方です。
「無我」と聞くと、
・自分を否定する
・個性がなくなる
といったイメージを持つかもしれません。
しかし、実際は真逆です。
「自分がない」とは、
無理に“こうあるべき自分”を作らなくていい
という、非常に優しい思想なのです。
たとえば、
・今日は元気な自分
・今日は落ち込んでいる自分
どちらも「本当の自分」。
一つに決める必要はありません。
老子や荘子の思想も同様で、
流れに逆らわず、その場に応じて変化することを良しとします。
現代の「常に前向きでいなければならない」という空気に、
静かにブレーキをかけてくれる考え方です。
教養としての哲学が、実生活で役立つ理由
本書の優れている点は、哲学を「知識」で終わらせないところにあります。
・人間関係でイライラしたとき
・SNSで他人と比べてしまったとき
・将来に不安を感じたとき
そんな場面で、
「そもそも比べる“自分”って何だろう?」
と一歩引いて考えられるようになります。
これは逃げではありません。
視点を一段上げる技術です。
東洋哲学は、問題を力で解決しようとしません。
問題との距離を変えることで、自然と楽になる道を示します。
この感覚は、自己啓発本を何冊読んでも得られなかった人ほど、強く刺さるはずです。
難しい哲学が、ここまで読みやすい理由
『自分とか、ないから。』が多くの読者に支持されている理由の一つが、その文章の軽やかさです。
・専門用語を使いすぎない
・たとえ話が現代的
・ユーモアがある
「哲学=偉い人の難しい話」というイメージを、いい意味で裏切ってくれます。
それでいて内容は薄くありません。
むしろ、噛み砕かれている分、考えが深く残ります。
教養とは、
「知識をひけらかすこと」ではなく
「人生を少し楽にしてくれる道具」なのだと、改めて感じさせてくれる一冊です。
「頑張らない哲学」が必要な時代に
努力や成長を否定しているわけではありません。
ただ本書は、こう問いかけます。
「その“頑張り”は、誰のためですか?」
自分という枠を少し緩めるだけで、
・他人の評価
・過去の失敗
・将来の不安
これらに振り回されにくくなります。
頑張りすぎて疲れた人ほど、読んでほしい哲学書。
それが『自分とか、ないから。』です。
もし「考え方を変えたあと、どう動くか」に興味があれば、
こちらの記事もあわせてどうぞ。👇
▶ 『仕事は楽しいかね?[新版]』
正解を探すのをやめたとき、人は自由になります。
「自分を固めない」という考え方は、この物語とも深く重なります。
→ 仕事は楽しいかね?[新版]
▶ 『1%の努力』
全部を変えなくていい。
ほんの少し視点をずらすだけで、生き方は軽くなる。
“自分を頑張って作らない”という点で共通する一冊です。
→ 1%の努力
まとめ|「自分」を手放したら、世界が広がった
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
本書は、答えを押しつけてきません。
「こう生きるべきだ」とも言いません。
ただ、
「別の見方もあるよ」
と、そっと示してくれます。
・自分探しに疲れた人
・哲学に興味はあるけど難しそうと感じている人
・心を少し軽くしたい人
そんな人にとって、本書は確実に価値ある一冊です。
「自分がない」という言葉の裏にある、
驚くほど自由で、やさしい世界観を、ぜひ体感してみてください。
📘 『自分とか、ないから。 教養としての東洋哲学』 — 書籍情報
タイトル(日本語)
自分とか、ないから。 教養としての東洋哲学
著 者
しんめいP(著)
※鎌田東二(監修)
出版社
サンクチュアリ出版
発売日
2024年4月23日
定 価
1,650円(税込) ※単行本・電子書籍同価格(店舗による)
ページ数
約350ページ(352ページ前後)
言語
日本語
対象
一般読者向け(哲学・教養書)
📚 内容・特徴
- 東洋哲学(仏教・老子・荘子・禅・親鸞・空海)の主要な考え方を
現代語・ユーモラスに解釈・超訳した入門書 - 難解と思われがちな思想を、肩肘張らずに読めるスタイルで紹介
- 「自分とは何か/自己と世界の関係」の根本的な問いを扱う哲学的エッセイ
👤 著者・監修者プロフィール
しんめいP(著)
- 大阪府出身。
- 東京大学法学部卒。
- 大手IT企業勤務、地方教育事業、芸人活動など複数のキャリアを経て、
東洋哲学と出会い本書執筆に至る背景あり
鎌田東二(監修)
- 京都大学名誉教授。専門は宗教哲学・比較文明学・日本思想史など。
- 多様な学問分野を横断する研究で知られる
📈 出版・評価動向
- 発売後、東洋哲学というニッチなジャンルながら ヒット作品となり、累計10万部・17万部突破の報告あり(出版社公式)
- 啓文堂書店ビジネス書大賞受賞などの話題もあり(販売実績に基づく評価)
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